「屋根ではなくベランダの雨漏りなら自分で直せるかも……」
そうお考えならお待ちください!
ベランダの雨漏りを止めるには、まずは原因を突き止めなければなりません。
なぜなら雨漏りの原因ごとに修理方法に違いがあるからです。
原因を知らないまま修理を進めると、雨漏りの被害が悪化することもあります。
それを防ぐために修理前に雨漏りの原因を調べることは重要です。
この記事では、ベランダの雨漏りのおもな原因、修理方法や費用の目安についてまとめました。
ベランダに雨漏りが発生した際にぜひお役立てください。
ベランダの雨漏りの応急処置
原因を調べる前に、まずはベランダの雨漏りをどうにかしたいですよね。
最初にベランダの雨漏りの応急処置の方法を紹介します。
必要なものは防水シートとバケツです。
床に防水シートを敷き、雨漏りしている場所にバケツを置いておくだけで応急処置になります。
水滴が跳ね返るため、バケツの中に雑巾を置いておくとよいでしょう。
雨漏りの範囲が広くてバケツで対処できない場合は、笠木や壁を防水シートで覆うという方法もあります。
風で飛ばされないように重りを置くか、防水テープで防水シートを貼り付けましょう。
防水テープがあればひび割れや隙間を塞ぐことも可能です。
ベランダで雨漏りが発生する原因
ベランダの雨漏りを修理するには、ベランダのどの部分が原因で雨漏りしているのかを調べなければなりません。
ベランダの雨漏りの原因として考えられる7つを解説します。
- 防水層の劣化
- コーキング剤の劣化
- 笠木の破損
- 排水口周りの劣化
- ゴムパッキンの劣化
- 引き違い窓の隙間
- 屋根の劣化
防水層の劣化
雨漏りの原因として、防水層の劣化によって防水効果が落ち、雨水が染み込むことがあります。
ベランダの床の防水層は、床内部に雨水が染み込まないようにする役割があります。
しかし、防水層の耐用年数とされている10~20年を超えると、ひび割れや膨れなどの劣化症状が目立ち始めます。
劣化に伴って防水効果も低下し、雨水の浸入を防げなくなり、大量の雨水が内部に染み込んできます。
その結果、処理できなくなった雨水が行き場を失って外に漏れる雨漏りが起こります。
床の防水層のひび割れや膨れに気付いたら早めに補修しましょう。
コーキング剤の劣化
コーキング剤の劣化によりひび割れが起こり、雨水が浸入することがあります。
コーキング剤には、部材と部材の隙間を埋めて雨水の浸入を防ぐ役割があります。
おもに壁のつなぎ目や窓枠、外壁タイルの目地などに使われることが多いです。
コーキング剤が劣化することでひび割れや裂けなどの隙間から雨水が浸入し、雨漏りの原因になります。
そのため、ひび割れてできた隙間にコーキング剤を詰めて雨水が浸入できないように処置する「増し打ち」をします。
劣化が激しい場合は、古いコーキング剤を取り外して新しくする「打ち替え」をおこないます。
笠木の破損
笠木の破損によってベランダ内部に雨水が浸入することもあります。
笠木とは、ベランダの手すり壁の上にかぶせてあるふたのような仕上げ材のことです。
笠木には壁が雨水や紫外線にさらされて腐食したり傷んだりするのを防ぐ役割があります。
笠木が劣化して剝がれたりぐらぐらしたりすると、隙間から雨水が浸入して雨漏りが起こります。
小さなひび割れや破損ならコーキングなどの簡単な補修で済みますが、腐食が激しい場合は全体を取り替える工事が必要です。
排水口周りの劣化
排水口周りの劣化により、防水層の隙間から雨水が浸入して雨漏りの原因になることもあります。
排水口周りは水の通り道となり、雨水や紫外線にもさらされるため、劣化しやすい部分です。
排水口周りの防水層が劣化して剥がれてしまうと、隙間から雨水が浸入して雨漏りが起こります。
他にも、排水口の金具と内部の排水管との接続部分の緩みや変形が原因になることもあります。
そこで、劣化した排水口周りの機能を復活させるために使うのが改修用ドレンです。
改修用ドレンを排水口に差し込むことで、雨水を確実に排水管に流せます。
また、工事の際に熱で床面としっかり溶着するので隙間もなくせます。
ゴムパッキンの劣化
ゴムパッキンの劣化で窓枠とガラスの隙間から雨水が浸入することもあります。
ベランダに接している掃き出し窓の窓枠についているゴムパッキンが劣化すると、窓枠とガラスの間に隙間ができます。
その隙間を放置していると雨水が浸入して雨漏りの原因になるため、ゴムパッキンを交換して隙間をなくします。
引き違い窓の隙間
引き違い窓とは、2枚の窓を交差して開け閉めする窓のことです。
2枚の窓の境目には交差をスムーズにするために隙間があいており、強い雨が降ると隙間から雨水が浸入します。
このときレールにゴミやほこりが溜まっていると雨水があふれて下の階に雨漏りすることがあるため、特に台風や大雨の前はレールを掃除してきれいにしておきましょう。
雨戸がある場合は雨戸を閉めてしまうのが効果的です。
雨戸がない場合、隙間に防水テープを貼るだけでも雨水を防ぐ効果が期待できます。
屋根の劣化
ベランダの屋根の劣化により、屋根から雨水が落ちてくることもあります。
屋根の劣化が原因の場合は、以下の方法で対応することになります。
- コーキングでの部分補修
- 屋根交換(一部または全体)
- 支柱も含めた屋根交換
屋根材の種類 | 特徴 |
---|---|
塩化ビニル | 安価 柔らかく加工しやすい 衝撃や熱に弱い |
ガラスネット | 塩化ビニルより耐久性が高い 10年弱は使用可能 |
アクリル板 | ガラスよりも軽量で強度が高い 現在はあまり使用されない |
ポリカーボネート | アクリル板より衝撃や熱に強い 紫外線にも強い 高性能かつ安価で人気が高い |
金属屋根材 | 積雪の多い地域で使用される |
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
住宅タイプ別に雨漏り修理の依頼先を確認
ベランダの雨漏り修理をおこなう場合、依頼先は住宅のタイプによって異なります。
簡単なフローチャートをご用意いたしましたので、ご自身がどれにあたるか参考にしてみてください。
※本フローチャートはわかりやすさを重視のために簡易的に作成したものです。
実情に沿わない可能性があるため、必ず専門家にご相談ください。
賃貸住宅の雨漏りの場合は大家・管理会社
賃貸住宅にお住まいの方は、大家さんか管理会社に相談しましょう。
賃貸物件における雨漏り修理の責任は大家さんや管理会社にあるため、対応してくれます。
大家さんや管理会社に相談する前に自力で対処しようとして雨漏りが悪化してしまうこともあるため、自分でなんとかしようとする前に必ず相談しましょう。
マンションの雨漏りの場合は管理組合
お住まいの住宅がマンションの場合は、マンションの管理組合に連絡をします。
多くの場合には、管理組合から業務を委託している管理会社に連絡がいき、連絡を受けた管理会社が調査・修理をおこないます。
マンションなどの集合住宅では、雨漏りの発生箇所や原因によっては修理費用を負担しなくてよいケースもあります。
自己判断で修理をすると、雨漏りが悪化したり部品が壊れたりして修理費用を請求されてしまうこともあります。
そのため、雨漏りを見つけたらまずは管理組合に連絡をしてください。
戸建ての雨漏りの場合は雨漏り修理業者
新築の引き渡しを受けてから10年以上の戸建てで雨漏りが起こった場合には、雨漏り修理業者に相談します。
雨漏り修理業者に依頼すれば、雨漏りの原因の調査から修理まで基本的にすべておこなってくれます。
雨漏り修理業者の特徴は以下のとおりです。
- 雨漏り修理の専門知識を身につけたプロが在籍
- 調査から修理まですべて自社でおこなうのでスピーディ
- ピンポイントの修理や部分修理なども可能
新築の引き渡しを受けてから10年未満の建売または注文住宅の場合は、住宅の施工会社に連絡をします。
このように年数によって依頼先が異なるので気をつけなければいけません。
雨漏り保証についての詳細は以下の記事をご確認ください。
ベランダの雨漏り修理は業者への依頼がおすすめ
ベランダの雨漏り修理は、DIYでおこなうよりもプロの業者に依頼することがおすすめです。
知識や経験がない状態で自力での修理をおこなうと、雨漏りを悪化させてしまうことがあるからです。
他にも、業者に依頼することがおすすめである理由を解説します。
雨漏りの原因を特定するのが難しいため
先ほど解説したように、雨漏りを引き起こす原因は複数あります。
そのため、何が原因で雨漏りが起こっているのかを特定するのは難しいです。
原因を特定しないまま自力で修理をしても、何度も再発を繰り返す可能性が高くなります。
原因は必ずしも目に見える場所にあるとは限らないため、プロに任せたほうが原因の特定が確実になります。
被害状況を把握するのが難しいため
雨漏り修理のためには被害状況を正しく把握しなければなりませんが、これも自力での判断は難しいです。
被害状況によっては修繕工事も必要になります。
例えば雨漏りで天井裏の断熱材が濡れてしまった場合には、断熱機能の低下やカビなどの二次被害につながるおそれがあるため、早急に交換しなければなりません。
しかし、プロではない私たちが目に見えない部分の被害状況までを正しく把握するのはとても難しいことです。
そのため、雨漏り修理はプロの業者に依頼することがおすすめです。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
ベランダの雨漏り箇所ごとの修理方法と費用目安
ベランダの雨漏り修理では、雨漏りしている場所や原因によって修理の方法や費用が異なります。
雨漏りの発生箇所や原因を確認してみてください。
修理方法 | 修理費用の目安 |
---|---|
防水層の塗り直し 防水層の修理 | 表面のみ: 7500円~/㎡ 防水層から: 2万円~/㎡ |
コーキング剤の充填 コーキング剤の 打ち換え | 増し打ち:500円~ 打ち換え:830円~ |
外壁塗装の塗り直し | 29,000円~/㎡ |
破損個所の 補修、交換 | 12,500円 |
防水層工事+改修用 ドレンの取り付け | 14,300円 |
レールを掃除する 雨戸を閉める 防水テープを貼る | 自己対処可能 |
ゴムパッキンの交換 | 12,000円 |
※各費用目安は雨漏り修理業者、外壁塗装業者、リフォーム業者3社の平均です。(2021年11月時点)
※費用は工事代金のみで、諸経費等は含みません。
ベランダの雨漏り費用は火災保険で抑えられることがある
雨漏り修理の費用はできるだけ安く済ませたいですよね。
火災保険を利用できれば費用を抑えられます。
自然災害(一部を除く)が原因で起こった雨漏りであれば、火災保険が適用される可能性があります。
ここでいう「自然災害」とは風災・雪災・雹災が含まれているものを指し、地震・噴火・津波によるものは除きます。
また、経年劣化による雨漏りは火災保険の対象にはなりません。
火災保険が適用されるためには条件があります。
3つの条件を満たしていなければ適用されません。
- 被害に遭い、保険金を請求できるようになってから3年以内に申請している
- 被害内容が、加入している保険の補償内容に含まれている
- 損害額が一定金額を上回っている
火災保険の適用条件について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
火災保険の申請~修理完了までの流れ
火災保険の申請から修理完了までの流れは次のとおりです。
- 保険会社に連絡する※
- 雨漏り修理会社に連絡し、修理費用の見積りを依頼する
- 保険会社から送られた書類に必要事項を記入する
- 必要書類を添付して返送する
- 保険会社の調査を受ける
- 適用可能と認められれば保険金が支払われる
- 雨漏り修理を依頼する
- 修理完了(支払い)
※契約者氏名・連絡先・証券番号・事故の日時や場所・事故の状況や原因・損害の程度など
- 修理の見積り書
- 被害箇所の写真
- 罹災(りさい)証明書
必要書類などに関しては保険会社によって異なる点もあるため、契約会社からの指示に従って申請を進めてください。
ベランダの雨漏り修理に関するQ&A
最後に、ベランダの雨漏り修理に関するよくある質問に回答します。
ベランダとバルコニーの違いはなんですか?
屋根がついているのがベランダ、屋根がついていないのがバルコニーです。
どちらも建物の2階以上であることは共通ですが、ベランダにはひさし、軒下、屋根などがついており、雨に濡れにくい形になっています。
一方バルコニーは屋根がなく、雨をしのぐことができません。
屋根の有無以外にはベランダとバルコニーはよく似ていて、どちらも雨漏りが起こりやすい場所です。
ベランダの防水工事にはどんな種類がありますか?
ベランダの防水工事にはFRP防水、ウレタン防水、シート防水がよく使われます。
施工期間はFRP防水なら1~2日程度、シート防水なら2~4日程度、ウレタン防水なら4~5日程度です。
事前の調査や準備などを含めると2日~1週間ほどで完了します。
ただしこれは施工面積や当日の天気などによって変動するため、目安としてお考えください。
それぞれの防水工事の概要はこちらの記事をご覧ください。
ベランダの防水工事に足場は必要ですか?
必ず足場が必要なわけではありません。
ただし足場を組まない場合でも、資材や撤去物の搬入のために自宅の中を通ることになるため、養生費用などが別途かかる場合があります。
屋内を通らない施工をご希望の場合や、外からしか搬入できない長い資材を使う場合などは足場が必要になります。
別途で足場代がかかる際には、お見積りの際に案内されるためご安心ください。
費用の目安に関しては、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
ベランダの雨漏りにはさまざまな原因があります。
原因を突き止めて正しい方法で修理しなければ再発のおそれもあるため、原因を見つけることは重要です。
ベランダの雨漏りの原因として考えられるのは次のようなものです。
- 防水層の劣化
- コーキング剤の劣化
- 笠木の破損
- 排水口周りの劣化
- ゴムパッキンの劣化
- サッシの隙間
- 屋根の劣化
雨漏りの原因箇所がわかりにくい場合には、雨漏り修理110番へご依頼ください。
雨漏り修理のプロが雨漏りの原因を正確に突き止めて、状況に合った修理をおこないます。
現地調査やお見積りは無料※となっておりますので、お気軽にご相談ください。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様に了承をいただいたうえで、調査費用等を頂く場合がございます。