マンションの屋上の防水工事は「ウレタン防水」「FRP防水」「シート防水」「アスファルト防水」のいずれかの工法でおこないます。
これは、屋上の広さや形、障害物の有無などによって最適な工法が異なるためです。
その場所に最も適した工法で工事をおこなうために、まずは防水工事業者に現地調査を依頼しましょう。このコラムでは4つの工法の内容やそれぞれの費用相場を解説します。また、業者の選び方についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
【工法別】マンション屋上の防水工事の内容と費用相場
先述したように、マンション屋上の防水工事には「ウレタン防水」「FRP防水」「シート防水」「アスファルト防水」の4つがあります。まずはそれぞれの内容と費用相場について知りましょう。
【1】ウレタン防水
ウレタン防水は液体状のウレタン樹脂を流し込んで防水層を作る方法です。費用相場は1平方メートルあたり【約4,000円~7,000千円】になります。この方法は液体を使うので屋上の形や広さ、障害物の有無を問わずに施工可能です。ただし耐用年数が短いため、5~6年に1度は表面のトップコートの塗り替えが必要になります。
ウレタン防水の接着方法にはさまざまな工法がありますが、マンションなどの屋上防水工事では一般的に「通気緩衝工法」が用いられます。この工法について以下にまとめましたのでご覧ください。
〇通気緩衝工法とは
通気緩衝工法とは、床面に通気緩衝シートとよばれるシートを敷き、その上からウレタン樹脂を流し込む方法です。シートには下地の水分や湿気を抜くための「脱気筒」を取り付けるので、既に雨漏りしていて水分を含んだ場所でも施工することができます。そのため、築年数の古い建物や屋上などに適しています。
【2】FRP防水
FRPは「繊維強化プラスチック」の略称で、ガラス繊維などを組み合わせてより頑丈になったプラスチックのことです。この素材は耐水性や強度に優れており、バスタブや自動車、船にも使われています。工事の費用相場は1平方メートルあたり【約4,000円~8,000円】です。
FRP防水では、まずFRPシートとよばれるマットを敷き、その上にポリエステル樹脂を塗って防水層を作ります。硬化が早く2日ほどで工事完了するので、人の出入りが頻繁な屋上に最適です。また、軽量で建物への負担が少なく耐久性が高いという特徴もあります。一方で紫外線に弱いため、5~6年に1度トップコートの塗り替えが必要です。
【3】シート防水
シート防水は塩化ビニールやゴム製の防水シートを敷いて水の侵入を防ぐ方法です。工事の費用相場は1平方メートルあたり【約4,000円~7,500円】になります。シートを使うので広い屋上でもいちどに施工でき、むらがでにくいメリットがあります。しかし、でこぼこや障害物が多い屋上は施工が難しい場合もあるので注意しましょう。
シート防水の接着方法には密着工法と機械固定工法の2つがあります。それぞれ以下にまとめたのでご覧ください。
〇密着工法
専用の接着剤で屋上の床とシートを接着します。この方法はシートが床と頑丈に接着されるので風の影響を受けにくいです。しかし、接着剤を使うために地面を十分に乾かす必要があるので、既に雨漏りしている場所には適していません。
〇機械固定工法
専用の機械を使ってシートを床に固定する方法です。この方法は直に接着しないので地面の状態を問わずに施工できます。また、地面の状態に影響されない分、密着工法に比べて工事日数や費用を抑えられるのもメリットです。
【4】アスファルト防水
アスファルト防水は、シートの両面をアスファルトでコーティングした「アスファルトルーフィング」とよばれる防水シートを複数枚重ねて防水層を作る方法です。工事費用は1平方メートルあたり【約5,000円~8,000円】になります。このアスファルト防水は、工法によっては煙や臭いが発生するため周囲への配慮が必要です。接着方法については以下をご覧ください。
〇熱工法
現場に設置した窯でアスファルトを溶かし、それを接着剤として防水シートを貼り重ねていく方法です。この方法では、アスファルトを溶かすさいに煙や臭いが発生するので、トラブル防止には事前の周知が大切です。また、窯を置くためのスペースも必要になります。
〇トーチ工法
防水シートの裏面についているアスファルトを大きなバーナーで炙り、溶かしながら張り付けていきます。この方法は熱工法のような窯が必要ないので、あまりスペースがない場所でも施工可能です。
〇常温工法
常温でも張り付け可能な防水シートを貼り重ねていきます。熱を使用しないので煙や臭いの心配はありません。
屋上の状態で最適な防水工事は変わる!
マンション屋上の防水工事は屋上の状態によってもどの工法を選ぶべきかが変わってきます。ここでは屋上の状態や条件ごとにおすすめの防水工事をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
形が複雑または障害物が多い屋上
このような屋上には、広さや形を問わずに施工できるウレタン防水がおすすめです。液体を使うウレタン防水であれば細かな場所までむらなくしっかりと施工できます。
障害物のない屋上
障害物がなく開けた屋上には、いちどに多くの面積を施工できるシート防水がおすすめです。いちどに多くの面積を施工できるので工事日数は短く費用も抑えられます。
人の出入りが多い屋上
人がよく出入りする屋上には、耐久性の高いFRP防水またはアスファルト防水がおすすめです。とくにFRP防水は工事日数がとても短く済むので、人の出入りが頻繁にある屋上に適しています。
失敗しない!防水工事業者の選び方
最後に、防水工事業者に依頼するときに見ておきたいポイントを確認しましょう。
・実績や施工例
依頼する業者を選ぶときは必ずその業者の施工実績を確認しましょう。この実績が豊富なほど、あらゆる防水工事への対応力を備えているといえます。施工例についてはホームページに掲載されていることが多いので確認してみてください。
・口コミや感想
その業者の評判や口コミなども調べてみるとよいでしょう。ホームページ上ではわからない依頼者目線での意見を知ることができます。ただし、あくまで個人の感想なので参考程度にとらえておきましょう。
・アフターフォロー
必要になったときに調べてみたら何もフォローがついていなかった……という事態を避けるために、工事後の定期的な点検や、万が一トラブルが見つかったさいの保証があるかを確認しておきましょう。
まずは相見積りから始めましょう
まずは複数社から相見積りをとって比較してみましょう。費用だけでなくサービス内容も比較しながらじっくり考え、納得できたところに依頼することが大切です。
防水工事業者をお探しのさいは弊社にご相談ください。弊社は全国各地の防水工事業者と提携しておりますので、お客様のご希望に沿った業者をご紹介することが可能です。相見積りについても、候補の中に弊社がご紹介する業者を加えていただければ幸いです。
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