ベランダや屋上からの雨漏りを防ぐためには防水工事が大切です。防水工事の施工方法にはいくつかの種類があります。
そのなかでも塗膜防水工事は改修時によく選ばれる施工方法です。もともとある防水層の上に施工できるので、撤去費用がかからず安価にできます。この記事では塗膜防水工事について解説していくとともに、種類ごとの特徴についても紹介していくので、参考にしてください。
目次
塗膜防水工事のメリット・デメリット
塗膜防水工事は防水性のある塗料を塗り、化学反応によって防水膜を形成する工法です。この施工方法にはさまざまなメリットがあるため、改修工事でもよく選ばれます。
メリット
塗料を塗ることによって防水膜を形成するので、継ぎ目ができません。もし継ぎ目ができてしまう工法ですと、そこから水が内部に侵入してしまう危険性があります。しかしこの塗膜防水工事なら継ぎ目ができないので、水が入ってしまう危険性をぐっと減らすことができます。
また、塗料なので形状にとらわれないという点も大きなメリットです。段差があったりカーブしていたりするような箇所でも、形状にかかわらず施工することができます。
既存の防水層の状態がよければ、その上からの施工も可能です。防水層の撤去や処分が必要ないので、費用も安くなります。
ほかの工法と比べて耐用年数が短いですが、定期的にトップコートを塗り替えることによって耐用年数をのばすことができます。そのためランニングコストがよく、今後何十年と住み続けることを考慮するのであれば、おすすめの施工方法といえます。
デメリット
先ほども述べたとおり塗料を塗る施工方法のため、塗膜を一定の厚みに塗るのが大変難しい作業となります。施工する業者の腕によってしまうところが大きいです。
また、塗料を何度か塗り重ねるため、その度に乾燥させる時間が必要になってきます。そのため、施工期間が長くなってしまいがちです。
デザイン性にも乏しいので、こだわりのある方には向かないかもしれません。耐用年数が短いこともデメリットといえますが、トップコートの塗り替えをおこなえばよいので、その点は問題ないでしょう。
塗膜防水工事の種類
塗膜防水工事にはいくつかの種類がありますが、ここでは主流となっている2種類について費用とあわせてご紹介していきます。
ウレタン防水
ウレタン樹脂を使用した塗料を用います。弾性があるので万が一建物にひび割れが生じても、それに塗膜が追従することができます。
ウレタン防水はさらに2種類に分けることができます。密着工法と通気緩衝工法です。違いは、通気緩衝工法のほうは下地の上に通気緩衝シートを敷いてから塗料を塗っていくということです。
通気緩衝工法は通気緩衝シートがある分、耐久性が増します。しかし、密着工法は通気緩衝がない分、軽量で建物への負担がありません。また、通気緩衝シートの有無で、費用もかわってきます。どちらがよいとは一概にはいえないので、お客様のご希望に合ったほうを選ぶとよいでしょう。
ウレタン防水のデメリットは均一に塗るのが難しいことと、塗り重ねる度に乾燥時間が必要になってくることでしょう。費用は業者によっても異なりますが、1平方メートルあたり2,500~7,000円程が相場となっています。
FRP防水
ガラス繊維強化プラスチックを使用した塗料を用いる方法です。強度が高いため、よく歩く場所での使用に向いています。速乾性があるため、ウレタン防水ほど乾燥時間がかかりません。
ただ、木造でないと使用できない点に注意が必要です。また、コストも若干高くなります。相場は1平方メートルあたり4,000~7,000円ほどです。
そのほかの防水工事方法
ここでは塗膜防水工事以外の施工方法についてご紹介していきます。改修時には塗膜防水工事が採用されることが多いですが、お客様の環境や使用状況によってはほかの方法がよい場合もありますので、メリット・デメリットも考慮して検討してみてください。
シート防水
シート防水には、塩化ビニールシートを敷く方法と、ゴムシートを敷く方法があります。どちらも工期が短いのが特徴です。しかし、複雑な形状の箇所には向きません。
それぞれの違いをみていくと、塩化ビニールシートはデザイン性があり、メンテナンスがほとんど必要ないのがうれしいところです。しかし、シート同士のつなぎ合わせが難しく、高い技術が必要な作業だといわれています。
ゴムシートはといいますと、安価で伸縮性がよいです。しかし、衝撃に弱くはがれやすいため、現在は塩化ビニールシートのほうが主流となっています。
アスファルト防水
アスファルトシートと液体の溶解アスファルトを使って防水層を作る方法です。密着性がよく、はがれにくいため、耐用年数がもっとも長いです。
そのかわり作業に手間がかかるため、新築時の屋上の防水工事でよく採用されています。作業ではアスファルトを溶かすため、臭いや煙が発生するという点も、新築時でないと採用しづらい点かもしれません。
防水補修工事をおこなうタイミング
補修工事は、前回の防水工事からどれくらい経っているかで、おおよそのメンテナンス時期がわかります。しかし次のような症状があらわれている場合は、メンテナンス時期に関係なく、早めに補修工事をおこなったほうがよいでしょう。
シート防水の劣化
シートが劣化してしまうと、膨らんででこぼことしてしまうことがあります。また、接続部がはがれてめくれてしまったり、やぶれてしまったりしていると、そこから水が入ってしまう危険性が高くなります。
排水口のつまり
ベランダや屋上の排水が悪いと、プールのように水がたまってしまうため危険です。長時間水がたまった状態が続くと、防水加工のさらなる劣化を招きますし、内部に水が入りやすくなってしまいます。
草や苔の繁殖
草や苔の繁殖も防水加工を劣化させてしまいます。また、草が繁殖しているということは、防水層の下に水が入ってしまっている危険性も高く、早めに対処したほうがよいでしょう。
防水補修工事についてご検討中の方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。塗膜防水工事はもちろん、そのほかの施工方法についても、お客様のご相談に乗らせていただきます。
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