雨漏りは屋根の塗装では防げない！屋根塗り替えの正しい役割

瓦屋根とは違い、トタン屋根やスレート屋根は住まいの機能を維持するために定期的な屋根塗装をおこな必要があります。
外壁塗装と一緒にメンテナンスの1つとしておこなっている方も多いですが、屋根塗装の正しい役割についてご存知でしょうか？

雨漏り防止策として行っているという方、もしくは雨漏り修理で行うものと思っている方は要注意です。

この記事では屋根塗装の正しい役割と目的、屋根塗装と雨漏りの関係、屋根塗装が高額になる理由などを細かくみていきます。
正しい知識を身につけることで、より適切で効率のよい屋根塗装をおこなえます。
ぜひご参考ください。

屋根塗装で得られる3つの効果

屋根の塗装は雨漏り修理を目的としておこなうものではなく、屋根塗装することで雨漏りが防げる・雨漏り修理できるというわけでもありません。

屋根塗装で得られる効果は主に以下の3点です。

美観効果

経年劣化によって色あせてしまった屋根を美しく蘇らせます。
色を変えることで住まいの印象や雰囲気を一新することも可能です。

保護効果

屋根は紫外線、雨、空気中の汚染物などに毎日さらされ続けます。
塗装で保護することにより屋根の劣化スピードをゆるめることが可能です。

機能性の付加

遮熱機能のある塗料を塗ることで日光を反射し屋根の表面温度を下げる機能や、セルフクリーニング効果などが期待できる塗料で機能をプラスすることが可能です。

屋根塗装のメリットと注意点

時間が経過すると色あせるというのはメンテナンス不足によるものです。
定期的な塗り直しを行うことでクリアすることができます。

屋根の塗りすぎは雨漏りの原因になる

屋根塗装をおこなうこと自体は防水効果をはじめ耐久性が高まり、雨漏りリスクが軽減します。
しかし、屋根塗装において多い施工不良【塗りすぎ】が、雨漏りの原因となる場合があります。
DIY作業や、粗悪な施工をおこなう悪徳業者に頼むと、この塗りすぎによる雨漏りが発生することがあります。

塗り過ぎは毛細血管現象による雨漏りの原因になります。
毛細血管現象とは、小さな隙間を液体が浸透することを言います。

塗りすぎにより毛細血管現象が発生し、雨水を通してしまい、雨漏りが生じてしまうというケースは珍しくありません。
塗りすぎによる雨漏りを防ぐには、適切な施工をおこなう優良業者に依頼することが大切です。

屋根を塗り替えるタイミング

塗り替えのタイミングや目安について見ていきます。
塗料にも耐用年数や寿命はありますが、屋根の状態をみることでベストな塗り替えのタイミングをはかることができます。

塗り替え時期を判断する5つのポイント

ポイントは主に5つです。
遠目からでもいいので確認してみましょう。
下にいくにつれて屋根の状態は悪化していると考えてください。

塗装を検討する目安

上のポイントから塗り替え目安として最適なのは、3の『白い粉のようなものが噴いている』です。
3はチョーキング現象といい、その名のとおりチョークのように白い粉が噴いている状態です。

4の『カビや苔が発生している』まで来てしまうと、屋根材が湿気を含み、劣化しているサインです。

チョーキング現象までなら、費用の面から考えても塗り替えのタイミングとしてベストです。

カビや苔が発生している状況に至っている場合は、葺き替え工事や大掛かりなリフォーム・屋根補修が必要かもしれません。
劣化した屋根材に塗装を行うことは可能ですが、すぐに塗料が剥がれてしまいますので結果的に効率が悪く、一時しのぎの施工となってしまいます。

塗り替えのタイミングを塗料やペンキの耐久年数ではなく、屋根の状態で挙げたのは、地方ごとの気候や屋根材・屋根の形状によってタイミングが違うからです。
さらに施工の質によっても変わることもあり、粗悪な塗装はすぐにヒビが入る・色あせるなど劣化スピードが早いです。

屋根塗装の流れと手順

実際にどういった手順で屋根塗装が行われるのか見ていきます。
ご覧いただけばわかるとおり、トタンもスレートも基本的な作業手順は変わりません。
いずれも安全を確保し、慎重に行います。

屋根塗装費用が高額になる理由は足場の設置費用

屋根塗装の相場を調べるとかなり高額で驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
屋根塗装において費用が高額になるおもな理由が足場の設置費用です。

2階建てや3階建てなど、建物が高ければ高いほど大きな費用がかかります。
1階建てであっても天井が高い住宅は2階建てと同じくらいの足場費用がかかると考えてください。

足場を組む手間が大きく、足場を組む作業には国家資格を必要としDIYが不可能なことから、足場代は高額に設定されています。

塗装工事業者の多くが屋根塗装時に外壁塗装やベランダのコンクリート防水塗装・防水工事をすすめるのは、同時に実施することでコストパフォーマスを上げられるためです。

足場の設置費用の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

火災保険が適用できるか確認してみる

足場費用に火災保険が適用されるケースもあるようです。
「台風などの自然災害による強風や突風で屋根が欠損した（傷んだ）」という場合は、多くの火災保険に含まれる風災補償が適用されます。

とはいえ、適用されるケースは稀です。
また、調査から結果がでるまでかなりの時間を要することもあります。
一度、申請の方法含め契約している保険会社に問い合わせてみることをおすすめします。

また屋根修理業者、塗装業者の中には火災保険に精通しているスタッフを抱えているところもありますので、相談してみるのもよいかもしれません。

まとめ

屋根塗装の正しい役割と効果、費用についてのポイントをまとめました。

屋根の塗装は美観だけでなく、様々な役割を担っています。
塗装後のトラブルを避けるためにも、雨漏り修理業者や屋根塗装業者の利用がおすすめです。