雨漏り調査と聞くと、目視や散水試験をイメージされるのではないでしょうか?しかし、近年では赤外線サーモグラフィーを使用した方法が注目を浴びています。
建物に発生する雨漏りの原因箇所を正確に突き止めるということは難しい作業です。経験豊富なプロでさえ、その判断には困るといいます。赤外線を使用する一番のメリットはその正確性です。難しいとされてきた問題であるにも関わらず、なぜそれだけの効果を発揮することができるのでしょうか?
今回は雨漏りにおける赤外線サーモグラフィー調査についてご紹介します。原因箇所を正確に突き止めることのできるその仕組みとはいったい何なのでしょう?調査をおこなう建物にも向き、不向きがあるので、そのような注意点についてもご説明していきます。雨漏りでお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
赤外線サーモグラフィー調査の仕組みとは?
赤外線サーモグラフィー調査とは、高感度赤外線カメラを使用して雨漏りの原因を突き止める方法です。怪しい箇所をカメラで撮影し、検査をおこないます。カメラを使用することで、赤外線反射のエネルギーを検出することができるため、その温度分布画像の色の違いで雨漏り部分を正確に突き止めることができるのです。雨漏りが起きている箇所は、雨水の影響で温度が低下しています。このような細かな違いこそが、赤外線調査では重要です。
水分があるか、ないかの温度差は1℃ほどしか違いがないため、自分で判断することは極めて困難と言えるでしょう。しかし、サーモグラフィーカメラを使用することで、しっかりと色分けがされるため、正確に判断することが可能になります。その発見率は99%以上とまで言われているため、とても確実性の高い方法なのです。
調査に向いている建物と向いていない建物がある?その違いとは?

雨漏りの発見に赤外線サーモグラフィーを使用するというのはとても効果的な方法になります。せっかくなら精度の高い調査を依頼したいとお考えになる方もいらっしゃることでしょう。しかし、赤外線サーモグラフィーはどの建物でも使用することができるという訳ではありません。
雨漏りの発見に赤外線サーモグラフィーを使用するというのはとても効果的な方法になります。せっかくなら精度の高い調査を依頼したいとお考えになる方もいらっしゃることでしょう。しかし、赤外線サーモグラフィーはどの建物でも使用することができるという訳ではありません。
- 建物が全面道路に面している
- 建物の立地場所が角地
- 調査対象箇所と隣地の距離が5m以上離れている
- 雨漏りがサッシや壁際から起きている
- 屋根がトタンやガルバリウムなどの金属製
- 調査対象箇所と隣地の距離が4m未満
- 周囲の建物に囲まれてしまっている
- 周囲の電線や木々に囲まれている建物
分かるのは雨漏りだけじゃない?結露や他の欠陥を発見することも
調査はプロの専門家へおまかせしましょう!

赤外線を使用する場合でも、プロの専門へおまかせすることをおすすめします。赤外線サーモグラフィー調査では色の違いだけでなく、建物の構造、外部・内部の温度環境、材料特性などの要素から総合的に判断した上で、熱画像と照らし合わせていきます。温度差の原因が雨水によるものかの診断など、複雑な作業が伴っているのです。
建物の撮影も天候や日射量、撮影面の方位などに気を遣っておこなう必要があります。正確に診断するためには、環境面にも注意しなくてはいけません。水分以外にも、壁面の汚れや地面の照り返しによって温度差が生じるため、この見極めをする技術も必要になります。
もちろんサーモグラフィーの撮影技術もいりますが、建築知識がさらに必要になるのです。プロによっても個人差が出るので、経験豊富なプロへと診断を依頼するようにしましょう。「赤外線建物診断技能士」という資格もあるので、これを保持している方におまかせすると安心です。
まとめ
今回は雨漏りの原因を赤外線サーモグラフィー調査で突き止める方法をご紹介してきました。原因箇所の特定はとても難しい作業ではありますが、サーモグラフィーを使用することで、とても正確性の高い判断を下すことが可能です。雨漏り以外にも結露などの欠陥を発見することもできます。
しかし、調査を実施する建物にも向き、不向きがあるので注意してください。複雑な作業と豊富な知識が必要になるので、調査はプロにまかせるようにしましょう。雨漏りの原因が分からずお困りの方は一度試してみてもよいかもしれません。